2023年8月19日、茅場町の新店「麺や 紀茂登」へ。
2023年8月3日オープン。ミシェラン2つ星、コース料理で6万円~8万円という神楽坂の高級和食料理店「紀茂登」がラーメン店へ参入。一杯3000円でOMAKASEによる完全予約制。「紀茂登」店主自ら眺望に立つとのこと。平日は無理なため土曜縛りでトライしてましたが予約取れず。時々予約サイトを見に行ってたところ、たまたま1席空きがあったので速攻予約。やっと行けることに。
「紀茂登」は2010年8月16日神戸で創業。木本泰哉オーナーシェフはお父上がフランス人シェフ、京都「桜田」で修行。独立開業後ミシェラン2つ星を獲得。2018年10月3日東京神楽坂に移転オープン。瞬く間に予約困難店に。現在はOMAKASEでの完全予約制、店内撮影禁止に。そして今回ラーメン業態へ参画。
念願の訪店ですが、予約が取れた1時間30分後にOMAKASEから「麺や 紀茂登」のお知らせが届いて、なんと8月21日予約分から麺メニューを3500円の一種類に変更することになったそうな。今週までは特製醤油3000円、特製塩3500円(1日5杯限定)の2種類でしたが、8月21日週からは醤油・塩という味分けは無くなり、特製3500円一種類になるそうです。なお、週ごとに食材を変えてスープを変える等の構想もあるそうですが、具体的にはまだ決まっていないとのこと。本日食後ですが、店主さんに直接確認しました。
店の場所は茅場町駅3番出口徒歩約1分。永代通りから脇道に入った先右手。「はなの舞」の跡地ですが、ビル自体丸っと建て替えられてるようです。
ビル入り口前に完全予約制の案内があり、押しボタン式の自動ドアを開けて入ったエントランスの先に、タッチパネル式券売機があります。券売機の前に立つとスタッフの方が来て予約の確認があります。
メニューは特製醤油3000円、特製塩3500円、台湾阿里山水出しウーロン茶500円、ハートランドビール800円、イネディットビール1000円。醤油は地鶏銘柄三種、天草大王、熊野地鶏、岡崎おうはんのスープ。塩はあわび、白甘鯛、鱧のスープ。12:00営業開始、12:10の予約でしたが、塩がまだあって、なんと本日ラスト1杯だそうです。なお、8月21日からのスープは、「白甘鯛、アワビ、鱧など・・・紀茂登の食材で、時節の出汁を使った麺」とのことで、現在の「塩」がベースになるかもしれません。
店内は厨房前に真っ直ぐなカウンター10席、奥に4人卓x1。ですがテーブル席は未使用。予約時間12:10の入店で、先客7、後客6。10分刻みの予約ですが、ほとんどの方が数分早めにフライング入店の模様。
スタッフは男性3。麺上げされてる方が店主さん。紙エプロンは券売機横に設置。カウンター下に荷物用フックあり。
BGMはジャズ。箸は割り箸。卓上調味料は無し。
そして待つことしばし、「特製塩」完成で~す♪
残り1食につられて塩をポチリ。醤油は黒字に金の模様のシックな器ですが、塩は白いシンプルな切立丼で着丼。提供時「海苔が溶けやすいです」との案内があります。
具は東京Xなどのブランド豚の部位の異なるチャーシュー2種、ブランド卵「夢王」を塩水で仕上げた塩味玉、白髪ねぎ、きざみ青ねぎ、メンマ代わりの分厚く切って食感を楽しめるようにしたザーサイ、海苔。
特に高級海苔な海苔ほどスープに溶けやすく、風味が強く、スープがあっという間の海苔まみれスープになります。自分は別な店で苦い経験済みなので、端っこを湿らせた海苔を器に貼り付けて最後までスープに浸らないようキープ。終盤にパリパリの海苔とスープを楽しむやり方してます。
スープはさらさらの無化調清湯塩味。白甘鯛、アワビ、鱧のスープで分厚く深みのある出汁が絶品。旨すぎて残すのが勿体なく、替えスープしたいほど。ラーメン以外の世界で名を馳せた名店・店主がラーメンへ転身しても、必ずしも旨いとは限りませんが、こちらはやはり凄旨!3500円払ってでもまた来たいと思えわせる魅力、雰囲気、パワー、美味しさがあります。
麺はストレート中細タイプ。岡山の製麺所製とか。1ロット2杯ずつ。ゆで時間1分30秒。かなり大型の四角いテボでの麺ゆで。しなやかでなめらかで柔らかい麺。しかも、食べてる途中で麺がほんのかすかにわずかずつスープに溶けだしていくのが分かる仕様。麺がスープに少しづつスープに溶けるのをはっきり知覚したのは、飯田商店以来2度目。そして少なくても飯田商店は麺がちょっとずつスープに溶けるのを計算して味の変化まで含めて味わいを構築してましたが、こちらもそれを感じさせてくれます。スープと麺の一体感とスープの深みが徐々に増していきます。
おいしく完食!8月21日以降はまたしばらく予約が取りづらい状況が続きそうですが、またなんとか来てみたいです。ごちそうさまでした!
麺や 紀茂登 (274/’23)