今回ご紹介するお店は、2007年10月25日頃新宿にオープンした「麺屋海神」です。訪問日は11月6日です。
「麺屋海神」は、もともと神の舌を持つ男、ラーメン王石神秀幸氏プロデュースにより、2004年に池袋にオープンしたお店です。
それが、諸般の事情により2006年2月に閉店してしまいました。
そのお店が、このたび新宿に移転オープンしました。なお、今回のオープンに当たっては、いろいろな事情により、石神氏は関与していないとのことです。
JR新宿駅東南口を出ると、お店の看板が見えます。駅すぐ近くのビルですが、新宿という土地柄か、風俗店も入居の怪しいビルです(汗
こちらの特徴は、「鮮魚系」と呼ばれるラーメンにあります。「鮮魚系」とは、新鮮な魚のアラを炊き上げて作ったラーメンで、オープン当時は、新しいラーメンスープのスタイルとして、画期的な試みということで脚光を浴びました。
こちらが、ウンチクです。この画像を掲載せずに、この通りに記事を書いていけば、良くリサーチされた記事が完成しますね。が、あえて公開します(笑)
スープの材料に使う「あら」は、新鮮なものを毎日仕入れるため、その都度異なるそうです。
その日の材料は、壁にでっかく掲示されています。この日のあらは、「イサキ」、「太刀魚」、「平目」、「鯛」でした。
券売機はなく、メニューを見て注文、食後後精算方式です。
メインのラーメンは、「あら炊き塩らあめん」と「あら炊き辛塩らあめん」の2種類に、それぞれ「焼おにぎり付」のバリエーションです。
オーダーは、「あら炊き塩らあめん 焼おにぎり付」にしました。定価850円のところ、11/7までのサービス券を使って、200円引きの650円でした。
大盛りは、常時無料です。ワタシは普通盛りにしました。
店内の様子です。
こちらは側は、壁に向かってカウンターです。奥が厨房です。
反対側の壁には、テーブルが3卓だったと思います。
しばらくして、「あら炊き塩らあめん 焼おにぎり付」完成でーす♪
手前に見えるのは、大型のレンゲです。右奥に見るのは、焼おにぎりです。
配膳時、「焼おにぎりは、麺を食べ終わったスープに入れて、崩しながらスープと一緒にいただいて下さい。」との、アナウンスがありました。
丼の底まで見通せる深く澄みきったスープに、たおやかに泳ぐ細麺、美しいビジュアルですね~!
具は、2種類のつみれに、5種類の薬味、白髪ネギ、みょうが、針しょうが、大葉、糸唐辛子です。
チャーシューやメンマなど、そんな無粋なものは、このラーメンには不要ですね。味玉なんて、ブルブル、とんでもないです(笑)
注目のスープですが、魚の臭みはほとんど感じません。
透明なスープですが、THE鮮魚系と言いたいくらい、濃厚な魚ダシの味がします。
写真では、アブラがキラキラと映っていますが、油感はほとんど感じません。本当に、素晴らしいダシのお澄ましといった感じです。
2種類の小麦粉をブレンドさせて低温熟成させたという細麺は、ウリ文句どおりのしなやかさと、適度なコシの強さが特徴です。
一見個性のなさそうな麺ですが、麺が主張することなく、主役のスープを邪魔しません。麺とスープの一体感があって、実に美味しく食べることができます。
こちらが、「鱈のすり身に海老を練り込んだつみれ」です。
これサイコーです。これだけでもお土産にお持ち帰りしたいくらい、美味しいです。
こちらは、「細かく砕いた軟骨を散りばめた鶏のつくね」です。
食感が楽しいですね。お味は、鶏挽肉の築根らしいお味です。まんまですが(笑)こちらも、お酒のおつまみに好適ですね!
スープと具と麺の三位一体で、実に美味しい完成されたラーメンでした。
傍らには、手付かずの焼きおにぎりがあります。
おにぎりの傍には、山椒の粉が添えられています。
〆として、スープに、焼おにぎり投入です。おにぎりを少しづつ崩しながら、スープをいただきます。
すると、どうでしょう。スープの表情が一変しました。それまで、繊細であっさりさっぱりと奥ゆかしいコクと味わいのあったスープが、思いっきり魚風味の強いスープに変わりました。その時は、おにぎりに魚のほぐし身が混ぜ込まれているのだろうと思っていました。
後で、SNSの友人のけいさんがお店の方に確認した情報によると、おにぎりに混ぜ込まれているのは、『へしこ』だそうです。
『へしこ』とは、福井県若狭地方に伝わる、主に鯖を用いた粕漬けだそうです。保存食としての料理だそうで、乳酸醗酵食品、珍味になるようです。
有名なところでは、「なれ寿司」と呼ばれる、独特の発酵臭を持つ伝統料理が日本各地方にあります。『へしこ』は、それと同じ感じでしょうか?
けいさん、大変貴重な情報をどうもありがとうございましたm(_ _)m
えっと、今回の焼きおにぎりは鼻をそむけるほどの発酵臭がしたわけではありません。それまで、スープからかすかに香っていた魚系の香りが、おにぎりの焦げた香ばしい匂いと、美味しそうな魚の香りで急に包まれた感じでした。
スープ・イン・ザおにぎり、うん、これも美味しいです。
美的装飾的で、しかも美味しいラーメンとおにぎり、大変満足できました。
スープを取るあらが毎日変わるということで、毎日味の違うスープになる可能性があります。これは、時々来なくっちゃ、ですね!